コラム|オーダーメイド枕の硬さ(中材)選びについて
目次
前提:枕は高さが命
枕を考える上で何が最も大切ですか?と聞かれれば、間違いなく「高さ」です。世の中のオーダーメイド枕の多くがそうであるように、私たちが扱うFITLABOのオーダーメイド枕も高さを合わせることに重きを置いて設計されています。枕の主目的は寝ている時の姿勢を整えることですから、その姿勢を左右することになる枕の高さが最も重要というわけです。
実際私たちがオーダーメイド枕をお作りする上で、最も神経を使うの作業が高さの微調整です。ほんの5mm高さが違うだけで、姿勢が変わったり首の支え加減が変わりますので、快適な枕に仕上がるかどうかはこの微調整で決まると言っても過言ではありません。(それだけにスタッフの技量が試されます)
柔らかさ(中材)は軽視されがち
その一方で、枕の柔らかさ・感触を決める中材はそこまで重視されることはありません。一般的には「オーダーメイド枕の中材はお好みでえらんでください」と説明されることが多いようです。実際7〜8年前までは当店も「5種類の中材から好きな硬さをお選びください」と説明しておりました。
場合によってはできるだけソフトな中材を
基本的には今もその考えは変わっておりません。特にお悩みがなければご自身がリラックスできる好きな硬さをお選びいただくようお伝えしています。
ですがもし「首が痛い」「頭痛がある」「ストレートネック」といったお悩みがあるようなら話は別。こういったお悩みがある場合は、できるかぎり硬い素材は避けていただくように今はお願いしています。
というのも、硬い素材は首を圧迫して血行不良を招きやすいため、仮に高さが合っていたとしてもその血行不良で痛みを感じることがあるからです。特に頚椎ヘルニアや狭窄症などデリケートな症状の方は尚更です。
「硬い素材じゃないと枕を使っている感がない」という方もいらっしゃいますが、「枕の存在感が強い=違和感がある」ということでもあるので、むしろ「枕をしているかどうかよく分からない」くらいの方が負担が少ないわけです。
『首の負担を最大限に軽減するには、枕の高さを合わせて姿勢を整えた上で、できるだけ圧迫のない素材を使う。』
それが今の私たちの結論です。
快眠屋ではつぶわたが圧倒的
FITLABOのオーダーメイド枕には現在5種類の中材がありますが、今ではつぶわたを選ばれる方が圧倒的です。全体の8割くらいがつぶわた、残りの2割がエラストパイプかソフトパイプミニといった感じですね。
これまで長年にわたって硬い素材の枕を使ってこられた方にとっては「いきなりそんなことを言われても」と受け入れ難い部分があるかと思いますが、もし思い当たる節があるようでしたら一度ソフトな中材を使ってみてください。意外な改善が期待できるかもしれません。
<注意点>
あくまで高さが合った上での話
この記事では、首周りの血行不良を防ぐためにソフトな中材が有効という話をしましたが、どれだけソフトな素材でもそもそもの高さが合っていなければ意味がありません。冒頭で述べたようにまずは「高さが合う=姿勢が整う」ことが大切で、中材の話はさらにその先の話です。柔らかい枕を使えばいいということでは決してありませんのでご注意ください。
つぶわたにも欠点はある
首に優しいつぶわたにも欠点はあります。それはエラストパイプやソフトパイプミニといった他の素材に比べると、どうしてもヘタリが早く、メンテナンスの手間がかかるということ。いくらソフトな素材でも、中身がつぶれて高さが合っていない状態で使い続けていては快適な寝心地は得られません。ですので当店のお客様には半年に1度は枕の高さ調整にご来店いただくようにお願いしております。他の素材なら1年に1回、下手をすれば2年に1回程度の調整で済むわけですから、やはりこの点はつぶわたのネックです。家庭で洗えて、丈夫で、なおかつソフトな素材ってなかなかないんですよね…。
首の楽さをとるか、メンテナンスの楽さをとるか。
天秤にかけた上で中材はお選びください。
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