ポリエステル混生地を使った羽毛布団
目次
【羽毛布団のポリエステル混生地に物申す】
近年丸洗いに持ち込まれる羽毛布団を見ていると、ポリエステル85%綿15%というようなポリエステル混の生地が多いことに気付きます。メーカーがコストダウンを理由にポリ混の生地を沢山使うようになったので当たり前といえば当たり前なんですけどね。
ですが、当店ではポリ混やポリ100%の生地を使った羽毛布団はあまり推奨しておりません。というのもポリ混の生地は、羽毛ふとんの快適さを大きく左右する通気性が非常に乏しいからです。
【人は寝ている間に水蒸気として汗を放出する】
人は寝ている間にコップ1〜2杯分の汗をかくと言われていますが、これは液体の汗をドバドバ身体から放出するというわけではありません。目には見えないけれど、不感蒸泄と呼ばれる水蒸気として汗を放出しているのです。気温によって放出される水蒸気の量は変動しますが、どれだけ寒くてもこの不感蒸泄は身体から出ます。
ゴム手袋やビニール手袋をしてしばらくすると、手がベトベトしてくるような不快なムレ感を覚えませんか?これは暑くて汗をかいているというよりも、手から放出される不感蒸泄がビニールで閉じ込められるために起こる現象です。
【熟睡するためには水蒸気の処理が不可欠】
就寝中に放出される不感蒸泄を、寝具がスムーズに吸収し発散できれば何の問題もないのですが、そうでない場合は寝床の中の湿度が上昇し不快指数が増すことに。梅雨時の不快なベトベト感、あれです。
冬場寒いからといって掛け布団や毛布を着込んでみたものの、途中で布団から足を出して寝ていたり、毛布を蹴飛ばしてしまうという方は、この水蒸気の処理がうまく出来ていない証拠ですね。
特に男性の方や小さなお子さんは代謝が高いので、深い眠りを得て身体の回復や成長を促すためには、そういった代謝の高い人に適した寝具を使うことが大切です。
【ポリエステル混生地では不感蒸泄の処理が難しい】
ここで冒頭のポリ混の生地に話を戻しますと、ポリ混の生地は綿100%の生地に比べて通気性が低いため、不感蒸泄の処理が難しく、寝床の中の湿度が急激に上昇します。
快眠屋がポリ混の生地をオススメしない理由はここにあります。
ヒトが快適に眠るための寝床内部の湿度は50%前後ですが、ポリ混の生地では湿度を50%に抑えることが非常に難しい。
代謝の高い子供や、男性には最悪といってもいいでしょう。
子供がゴロゴロ一晩中寝返りばっかりうっている、布団をかけても布団から逃げ出してしまうという場合は、寝床内部の湿度が高すぎる可能性があります。
【ではなぜポリ混の生地をメーカーは使うのか】
ポリエステル作りたがるメーカーサイドや販売店サイドの思惑も分からんではないです。例えば同じ80番手のサテン生地ならば、ポリエステル混の生地は綿100%のものに比べて圧倒的に柔らかく肌触りが良いので、現場では非常に売りやすいのです。
あーだこーだ羽毛布団の本質を長々と説明するよりも、「触ってみてくださいよ〜、めちゃめちゃ肌触り気持ち良いですよね?これは良い品ですよ〜。」で済ませた方が時間効率も良いし、お客さんにも分かりやすい。しかも同時にコストダウンも図れるので売りやすいし、儲かる。
テレビショッピングだと中の羽毛のことだけ強調して、生地についての説明は柄だけ!なんていうふざけたものもありますしね。おいおいおい、その生地の組成はなんなのだ!と突っ込まないわけにはいきません。
通気性が低い生地を使えば使うほど、中の羽毛の良さはスポイル(台無しに)されてしまう。生地が水蒸気を通さないのであれば、中の羽毛にどれだけ吸湿発散性があっても意味がない。暖かいという恩恵は受けられても、吸湿発散は無視することになる。これでは羽毛布団の本質から外れていくばかり。
私たちは寝具で商いをしておりますが、提供させて頂いたその寝具の先には必ずや快適な眠りがあるはずだと信じて寝具の提案・選定をしています。そういった私たちを信頼して買い物をして下さっているお客様のためにも、今後革新的な進歩が生まれない限りポリ混の生地をオススメすることはありません。
これはリフォームに使う生地にも同じことが言えます。
オーダーメイド枕・布団・ベッド・寝具専門店【快眠屋おの】
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