ポーランドのマザーグース農場を訪れて【2019.8.25~29】
随分と間が空いてしまいましたが、先月末に訪れたポーランドの話を。
昨年の1月にポーランドに向かった際はドイツの展示会の合間を縫ってというスケジュールでしたので、確かフランクフルト空港からクラクフ空港に移動したと記憶しているのですが、今回はセントレア→ヘルシンキ→ワルシャワというルートでポーランドに入りました。
航空会社はフィンエアーです。
エコノミーで席を抑えていたところ、出発前日あたりにエコノミーコンフォートにアップグレードしないかい?というお誘いを公式メールで頂きましてね。(なにがコンフォートかというとどうやら足元が8~13cmほど広いらしい。他にもマリメッコのアメニティが貰えるなど特典あり。)
アップグレード価格は1万円ちょっと。うーん、悩む。5千円なら即決するのに。
いやしかし、たかだか10cm前後の差とはいえ、身長178cmの人間にとってはとてつもなく大きな差。しかも数時間のフライトならまだしも9時間以上も空の上。熟慮に熟慮を重ねた結果、はい、アップグレードをさせて頂きました。(しかも僕が乗ったのはA350-900だったので足元は最も広い13cm増し)
普通のエコノミーだとこれより13cmも狭いわけですから、アップグレードして良かった。
乗り換えのヘルシンキ空港。北欧というだけでオシャレに見えるマジック。
ワルシャワ駅周辺を撮影
ワルシャワに着いたのは現地時刻の20時前後でしたので(と言ってもめちゃ明るい)、その日はそのままワルシャワに泊まり、翌朝電車で精毛工場のあるクラクフに移動しました。(鉄道トラブルの影響で約4時間もかかってしまいました)
こちらの動画は当店の「ベストオブポーランド手選別ステッキーマザーグース98%」を選別している様子ですが、その品質は今年も圧巻。
安心して今年も皆様の元にお届けができます。
レギュラーグースの胸部分から採取した羽毛原料(胸の部分が最も質が良い)
この工場ではポーランド産ホワイトコウダ種グースダウンのみを精毛しています。しかしいつも申し上げているようにポーランド産のグースだから全てが高品質というわけではありません。生意気を言うようで恐縮ですが、快眠屋の求める基準に満たないものもあります(むしろその方が多い)。
レギュラーグースなら、16〜18週間飼育されたもの。それも上の動画のように、最も質の良い胸の部分だけを使用して精毛したものに限ります。(普通は首の部分も翼の部分も胸の部分もごちゃ混ぜ) なぜならそうしなければネックフェザーの大量混入を防ぐことができないから。←ネックフェザーはダウンと同様に軽いので風の力を使う機械選別では取り除けません。
快眠屋が使う原料は左下の胸部分から採取した最上質品。右下は首の部分で、ネックフェザーが多く厄介。普通はこれら4つの原料を分けずにごちゃ混ぜにして採取してしまう。
そしてマザーグースなら、1回目と2回目のハーベスティング(初夏〜晩夏)で採取されたものではなく、3〜4回目のハーベスティング(秋〜初冬)で採取されたものを使います。(当然胸の部分だけを使っています)
理由はシンプル。同じマザーグースであっても、1〜2回目のハーベスティングで採取した羽毛原料は3〜4回目と比べて質が落ちるからです。(具体的に言うと、1回目の原料ではダウンパワー440を超えることは難しい)
同じポーランド産グースダウンを使った布団であっても価格が違うのはこういった理由もあるわけです。
クラクフ駅前のPUROホテル
工場を訪問した翌日は、朝6時半にクラクフを出てコウダ・ヴィエルカ研究所に。
なんと車で5時間以上かかります…。
ちなみにポーランドではガソリンスタンドがコンビニ的存在。
研究所の後は、車で20分ほどのマザーグース農場に移動。5時間のドライブの後だと20分はもはや光速。あっという間に目的地に着きました。
農場によって差はあるものの、ポーランドのグースは基本的には24時間放し飼い。ストレスのない環境で伸び伸びと野生同然に育つことで、良質な卵を生み、美味しいお肉となり、そして成熟したパワフルな羽毛が生まれるわけです。
また飼料についても全てオーガニックの麦とからす麦。かつ、タンパク質は植物由来のモノのみと定められています。ケミカルな飼料を与えず、より自然のままに飼育することが、グースの健やかな成長にとって最適だと分かっているからです。
この写真はこの翌日に訪問させて頂いた、マズーリ地区のマザーグース農場で撮ったもの。
今回の訪問を通じて感じたこと
快眠屋は羽毛には産地は関係ないと言い続けています。それは前述したようにポーランド産であっても取るに足らない質の羽毛が沢山あるから。(ハンガリーだろうとロシアだろうと同じこと) これは裏を返せば、中国のように基本的に羽毛の質が低いとされる国でも、中には目を見張るような立派な羽毛が存在するということでもあります。
その想いは今も変わりません。
ですがそれはあくまで中〜高品質クラスの話であって、ポーランドの本当に上の上の上の一番上のクラスともなると、やはり他の地域では真似のできない羽毛としての魅力が大いにあるよなぁと。
今回の旅は、そんな兼ねてからの想いをさらに強固にする結果となりました。
番外編
おいおい、メシの写真がねえじゃねえか!と思ったそこのあなた。お待たせしました。今回は少なめですが、ちゃんとご用意がございます。
郷土料理のジャガイモのパンケーキ
ダックの焼いたやつ
みんな大好きカツレツ
サーモン。美味しい。
朝ごはんのセルフワッフル焼き器。コツがいる。
鶏胸肉のサラダ。多分どこのレストランにもこのサラダはあります。
郷土料理のジュレスープ。店によって全然味が違う。
郷土料理のピロギ。ポーランド風餃子。中の餡の味が沢山。
農場で振舞って頂いたグースにターキー肉を詰めたもの。すごい迫力。
またまた登場ピロギ。国民食です。
ホテルの朝食。古いホテルだけど朝ごはん充実。
概ねドイツより朝御飯は種類豊富。
被写界深度や明るさがおかしい写真が沢山ありますが、焦って撮ったものが多いのでお許しを。
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