マイナスイオン。トルマリン。チタン。磁気。寝具に疑似科学は必要なし。
今回リフォームをさせて頂いた羽毛ふとんは、ご夫婦で一時期使っていたものの、とあるふとんを購入してからはずっと仕舞い込んであったというものでした。
そのとあるふとんというのは、プラチナが練り込んだ化繊のふとんです。羽毛ふとんよりもプラチナの方が身体に良く、ずっと暖かく眠れるという触れ込みだったそうです。
ところが実際はぽかぽかどころではなく、冬場になると足が凍る思いだったとか。(ご主人談)
寝具というものは、電化製品のような明確な性能基準がなく、非常に曖昧なものですから、悪い意味でトンデモないものが沢山売られています。
中にはそのひどさに、「ドヒャー!!!」と腰を抜かしてしまうものも。(実際は抜かしていません。ご心配なく。)
マイナスイオンや、トルマリン、チタンもその類のものと言って良いでしょう。
チタンに関しては以前、「YOSAのチタンマットって良いんですか?」という質問を頂いたことがあります。チタンには遠赤外線で氷を早く溶かす性質があるから、その上に寝ると血行が良くなるんだよ!という話でした。
この話がややこしいのは、効果が完全にゼロとは言えないところですね。
チタンが遠赤外線を発しているということは事実です。これは間違いない。というかチタンが特別というわけでなく、ほとんど全てのものが遠赤外線を出しています。
だけれども、室温程度のチタンに『人体に影響を与えるほど』の遠赤効果があるかというと、そんな効果はありません。厳密に言えば、効果はゼロではないけど、非常にわずかなので人間に作用するレベルではないということ。あるとしたらプラセボ効果くらいでしょう。
遠赤外線の効果を利用しようと思うと、電気を使って加温したり、魚を焼くグリルやストーブのようにかなりの高温状態に持っていかないと意味が無いようです。
個人的にはチタンの遠赤効果に頼る前に、ラテックスマットレスのように体圧分散性の高い寝具と、吸湿発散性に優れたウールのベッドパッドを使用した方がよっぽど効果があると思いますね。
そしてそれでもダメな場合に、Re:careなどの電気を利用した温熱電位マットを使うのが良いのではないでしょうか。
ほんまに悪質な業者さんには勘弁してもらいたいですわ…
プロの言葉だと思ったらそりゃ信じてしまう人も沢山いるわけで。
もちろん自分自身のことに関しても、無責任な発言はあかんなと身が引き締まる思いです。
また、こちらのご夫妻は今年お住まいを新しくされるのを機にベッドを見直され、現在エルゴフレックスとオーダーメイド枕をお使い下さっています。(※それまでは敷布団も掛け布団と同じプラチナ化繊のものをお使いになっていました。)
ですから睡眠環境といたしましては、敷寝具はパーフェクト。
そのため眠り屋としては、「あとは掛け布団さえ改善すれば…」と前々から気になっていたのですが、先日オーダーメイド枕の調整の時にたまたま冬物寝具の話になり、色々とご説明させて頂いたところ、さらなる快適な眠りを求めて羽毛ふとんをリフォームされることになったというわけです。
お預かりした羽毛ふとんは、西川リビング製の4×5マス立体キルト。
表示はハンドピックホワイトグース95% 1.3kg入りとなっていました。
完全洗浄後、羽毛が二枚合わせて2.1kg残りましたので、かさ高18㎝のホワイトグースをそれぞれ200gずつ補充し、二枚とも1.25kg入りで仕上げました。
エルゴフレックスをお使いなので敷寝具の保温力は抜群ですし、側生地も超軽量でしなやかなものを使いましたので、充填量はもう少し控え目でも良さそうでしたが、ご主人がかなりの寒がりということで1.25kg仕上げです。
これでこの冬以降は足が凍ることはありません。
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