兵庫県のお客様から羽毛布団リフォームのご依頼【浅尾繊維】
先日ご依頼を頂いた、兵庫県のお客様の羽毛布団リフォーム事例をご紹介いたします。(N様本当にありがとうございました。)
目次
送って頂いた羽毛布団
[スペック]
メーカー:(推定)浅尾繊維
使用年数:15年
サイズ:シングルロング(150×210cm)
側生地:綿100%(サテン織り)
羽毛:ポーランド産ホワイトグース93%
中綿量:1400g
キルト:二層式キルト(表:3×4マス/裏:4×5マス)
明確な表示はございませんが、こちらは島根県の浅尾繊維さんの羽毛布団だと思われます。サテン織の柔らかい生地を使った二層式キルトのお布団で、羽毛の量は1400gとたっぷりめ。今回はご主人と奥様のお布団を送って頂きました。
こちらが3×4マスキルトのオモテ面です。(2層式キルトなのでオモテとウラでキルトが違います)
写真では少し分かりにくいですが、中央の部分はややボリュームがなくなっていますね。
そしてこちらが4×5マスのウラ面です。身体がダイレクトに当たる部分になりますので、ウラ面は傷みが進みがち。
先ほどのオモテ面と比べるとボリュームがなくなっている様子が分かりやすいと思います。
羽毛の状態は?
上がお客様のお布団から取り出した羽毛で、下が新品の羽毛です。
写真でも新品との違い(羽毛の色やダマ具合)がある程度お分かりいただけるかと思いますが、こちらの動画をご覧いただくとその違いがさらによく分かります。
10年以上お使いになっておられるので、経年劣化で羽毛がベタつき、重くなっています。新品に比べて落下スピードが早いのは、汗や皮脂で羽毛が重くなっているからです。
お布団の見た目はとってもキレイですから、外見からはなかなか想像がつかないのですが、10年も経てばこのように羽毛がパワーダウンするのも致し方ないことです。
プレミアムダウンウォッシュ&除塵後
[取り出し羽毛量]
1330g+1320g=約2650g
[洗浄・除塵後]
約2260g (−400g)
リフォーム後
<ご主人用>
サイズ:シングルロング(150×210cm)
側生地:綿100% (ソフトサテン)
仕上げ量:900g
キルト:5×6マス立体キルト
ご主人のお布団はリフォーム前と比べますと、かなり厚み(保温力)を控え目にして仕立てさせて頂きました。(元のお布団が保温力●●●●●●とすると、今回のお布団は保温力●●●●○○といったイメージ)
これまでブログで何度も申し上げているように、二層式のキルトは高い保温力が得られる一方で、「通気性が悪く蒸れやすい」「厳冬期以外は暖かすぎて使いにくい」というデメリットもございます。
そこで今回はキルトは通気性と保温性のバランスに優れた「5×6マス立体キルト」にし、羽毛の量も900gと少な目にしています。
<奥様用>
サイズ:シングルロング(150×210cm)
側生地:綿100% (ソフトサテン)
仕上げ量:1100g
キルト:変形5×6マス立体キルト
一方で、奥様のお布団は元々のお布団よりは控え目ですが、ご主人のお布団よりも少し厚めに仕上げさせて頂きました(保温力●●●●●○)。
キルトは二層式ではなく立体キルト。ですが周囲と比べると胴体部分はマスを大きくして保温性を高めています。
今回は若干複雑なリフォーム
さて、今回はいつもよりも少しだけ複雑なリフォームでした。
というのも「(洗浄・除塵後の)羽毛の量がたっぷりあるので、量的には羽毛の補充は必要ないのですが、布団の寿命を延命させるためにあえて羽毛を補充した(入れ替えた)からです。」
上述したように、洗浄・除塵後に残った羽毛は2260gです。
今回仕上げたお布団は900gと1100gなので、普通に考えると2260gも羽毛があれば必要十分なはずです。
ですがこの2260gの羽毛というのはいくらキレイに洗浄してパワーを復活させたとはいえ、ある程度傷みが進行しておりますから、流石に新品と全く同じというわけにはまいりません。(同じ2260gでも、傷んだ2260gと新品の2260gではボリュームや耐久性が違います)
そこで今回は2260gのうち860gはクッションにしてお返しさせて頂き、残った1400gに新しい羽毛を600g追加して2000gの羽毛を作りました。
そしてその2000gの羽毛を900gと1100gに振り分けて、お布団を仕上げました。要は単純に羽毛を補充したのではなく、入れ替えたわけです。
全体の30%を新品の羽毛にすることにより、古い羽毛だけで900gと1100gの布団を作るよりも「より軽く、より暖かく、より長持ち」するようになります。
ちなみに総額は92,000円+税となりました。
こちらがそのクッションです(無料のサービスなので色柄はお任せとなります)
快眠屋では羽毛の補充も入れ替えも自由自在です。
大手メーカーの十把一絡げのリフォームでは満足できないという場合は、ぜひ細かな融通が利くお店にご依頼ください。
もし当店にご依頼頂けましたら、最大限ご希望に添えられるように頑張らせて頂きます。