商品情報|オリジナル羽毛布団 リサイクルダウン×NWバティスト
[羽毛]リサイクルダウン90%
[生地] 綿100% 日本製バティスト(ナチュラルウォッシュ)
サイズ | SL 150×210 | SD 175×210 | DL 190×210 | QL 210×210 |
---|---|---|---|---|
充填量 | 1300g | 1500g | 1600g | 1800g |
価格(税込) | 47,400円 | 58,300円 | 63,800円 | 73,700円 |
リサイクルダウンとは、廃棄されたダウンジャケットや、羽毛布団から羽毛を取り出し、その羽毛をキレイに洗浄・再加工したものです。日本でも近年はリサイクルダウンの活動がひろがってきましたが、環境意識の高い欧州では、1990~2000年代にはリサイクルダウンの産業化が進められ、今ではリサイクルダウンを使用することが環境に優しい選択肢として広く認知されています。
また場合によっては、リサイクルダウンの方が(環境的に)価値が高いということで、同クラスの新品よりもリサイクルダウンの方が高価ということもあるようです。(それ故、新品をリサイクルダウンと騙って販売している逆転現象もあるそうで、詐称が多いのは新品もリサイクルダウンも同じですね…)
私たちも過去に何度かリサイクルダウンの使用を検討したことがあります。しかし「クオリティが低い」「価格が高い」「いくらリサイクルダウンとはいえさすがにこれでは…」という事情があり、「理念には賛同するが、私たちのお客様に胸を張ってオススメできるかというと難しい…」と採用を見送ってきました。
今回はそんなリサイクルダウンを私たちが使うようになった経緯、そしてリサイクルダウンを使ったリーズナブルな羽毛布団を紹介をさせて頂きます。
リサイクルダウンの質は回収段階であらかた決まる
繰り返しになりますが、リサイクルダウンは、捨てられたダウンジャケットや羽毛布団の羽毛を洗浄・選別し、再利用した羽毛です。
ではこのダウンジャケットや羽毛布団はどのように集められるかというと、市役所やゴミ処分場で回収されたり、商業施設や羽毛製品販売店で回収されるのがメインルートです。回収の条件はリサイクルダウンに取り組んでいる羽毛サプライヤーによって異なりますが、「ダウン率が50%以上の羽毛製品ならなんでもOK(傷みレベルは問わない)」というのが一般的です。
ただハッキリ言ってこの条件はあってないようなレベルのゆるい条件です。大量のリサイクルダウンを生産して事業を拡大しようと思うと、それ以上の量のダウンジャケットや羽毛布団を回収しなくてはいけませんから回収に厳しい条件を付けると量が集まらないんですよね。
しかしこの「ほぼなんでもOK」というルールは、リサイクルダウンの生産量という点ではプラスに働くものの、リサイクルダウンの質という点ではマイナスに働きます。羽毛選別機の機能が向上したとはいえ、結局のところ傷んだ羽毛や不純物だけを狙い撃ちして取り除くなんてことは不可能だからです。
どれだけ時間をかけて選別しようが、選別後の羽毛は選別前の羽毛のクオリティに大きく依存します。玉石混交の羽毛の中から玉だけを選び抜くなんてことは夢物語。ある程度大きいフェザーなら比較的取り除くのは容易ですが、サイズの小さいネックフェザーやスモールフェザーは除去が困難です。ましてやダウンファイバーやフェザーファイバーといった微細なホコリは大量に残ったままとなります。これは新品にも当てはまる話で、上質な羽毛を作り出そうと思うと、原料の採取段階からこうした不純物が混入しないように取り組まなくてはいけません。実際にクオリティの低い羽毛は新品であってもファイバーまみれで吹き出しの原因となります。
リサイクルダウンのクオリティを上げるには、機械選別のもっと前の段階、つまりダウンジャケットや羽毛布団を回収する段階で厳しく絞り込まなくてはいけません。(※回収後にグレード別に分けることも可能ですが、一度ひとまとめにしたものを細かく仕分けるには人手と時間が必要なのでコストアップの原因となります。)
ただ回収時点のハードルを高くすればするほどリサイクルダウンの生産量は減っていきますので、量と質のどちらを優先するかは難しい問題で、決まった正解はありません。最終的にはメリットデメリットを勘案して、消費者の皆様が判断されることになるのかと思います。
当店のリサイクルダウンは回収条件が厳しめ
そんな中、サプライヤーからこの夏に状態の良いリサイクルダウンの提案をもらいました。
回収ルールはダウン85%以上とかなり厳し目なので大量に集めることはできませんが、回収段階でクオリティを絞っているので回収後の仕分けコストがかかりません。また元々のクオリティが高い分、機械選別の歩留まりも良いというメリットがあり、コスト面でもリーズナブルになっています。これなら理念だけでなく、実利も伴っていると思われます。
ダウン率は90%で、DPダウンパワーは360以上。清浄度も1000mm以上で羽毛特有の不快なニオイもありません。同じ価格帯で新品を使おうと思うと、ダックダウン80~85%、DP350前後が候補に上がってくるので、品質面でもリサイクルダウンに大きな優位性があります。
我々が普段取り扱っているようなレギュラーグース・マザーグースと比べると流石に大きな差がありますが、「できるだけ価格を抑えたい」「再利用品を購入したい」とお考えの方にはリサイクルダウンは魅力的な選択肢だと考えています。
軽量かつソフトな特殊バティスト生地と組み合わせ
いくらリサイクルダウンを使ってリーズナブルな羽毛布団に仕上げることができたとしても、羽毛布団としての実用性(快適性)に欠けるようでは意味がありません。
そのため、天然素材である羽毛の長所、つまり調湿性を活かせるように綿100%の生地を使うのはマストでした。(ポリエステル100%やポリエステル混の生地は通気性が低く、一般的な綿100%の生地の半分程度しかありません。)
ですが綿100%の生地の場合、標準的な60番手のサテン生地だと重さが140g/㎡とかなり重いので生地の重さで羽毛がつぶれます。そうなると大量に羽毛を充填しないとまともな暖かさ(ボリューム)に仕上がらないので、生地も羽毛もどちらも重くなり、羽毛布団の軽くて暖かいというメリットが薄れる結果に。これでは私たちが提供する羽毛布団としては流石に…。
そこで私たちが選んだのが、ナチュラルウォッシュ加工を施した綿100%のバティスト生地です。80番手の平織生地なので重さは94g/㎡とかなり軽量。これならリサイクルダウンの膨らみをつぶさず、十分なボリュームを出すことができます。懸念点は平織ゆえのパリパリとしたペーパーライクな質感ですが、それもナチュラルウォッシュでかなり改善され、相当しなやかな風合いに仕上がっています。
sanders/kauffmannのプレミアムバティストほどの軽さ、通気性、しなやかさには及ばないものの、価格を考えると十分に値打ちがあると考えます。