大阪のお客様から羽毛布団リフォームのご依頼
冷え込む日もまだ時折ございますが、徐々に気温が高くなるにつれて羽毛布団リフォームのご相談が増えてまいりました。
伊勢市や松阪市、津市、四日市市など、三重県内のお客様からご相談を頂くだけでなく、県外の方からリフォームのご相談・依頼を頂くことも多く、今回のリフォーム事例もまた大阪府にお住まいの方からのご依頼です。(つい先日も東京の方からご依頼を頂きました。)
遠方の方で布団を持ち込むのが難しいという場合も、当店に布団を送って下されば、布団の質や羽毛の状態を診断して「リフォームが可能かどうか」「可能ならばどのようにリフォームをするのがいいのか」をお伝えさせて頂きますのでご安心ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
電話:0120-12-3359
LINE:LINEアプリで「快眠屋おの」と検索して頂ければ公式アカウントが出てきます。
<お預かりした羽毛布団>
【メーカー】不明
【サイズ】シングルロング
【羽毛】アークティックホワイトマザーグース95%(推定)
【羽毛量】1.3kg
【側生地】オモテ生地:絹100%、中生地:ポリエステル100%、ウラ生地:綿100%
【キルト】変形4×5マス
こちらの布団をご夫婦分の2枚お預かりいたしました。
お話によると20年ほど前に婚礼布団として購入されたお布団だということです。非常に上質なもので、察するに1枚あたり20万円〜ほどだったのではないかと思われます。
流石に新品当初と比べると傷んできているので、リフォームができるのであればキレイにリフォームをしたいというご相談でした。
オモテ面がシルクの生地とポリエステルの生地で二重になっているタイプです。当時はこういったタイプの布団が多かったんです。今も丸八真綿さんはこちらに近い方法で布団を作っていますね。他メーカーではまず見かけることはありません。
流石にシルクの生地がところどころ裂けていますが、20年使用してこの程度というのは素晴らしいですね。O様が丁寧に使われてきたというのが伝わってきます。同じ20年でもとんでもなく劣化が進んでいる布団も中にはありますから。
品質表示はかなり色褪せてしまっているものの、なんとか読み取れる状態です。
2枚の布団を並べてみました。左側がおそらくご主人が使われていたもので、右側が奥様が使われていたもの。
左のほうがややボリュームがダウンしていますが、やはり男性の方が汗や皮脂などの分泌量が多い傾向にあるため、全く同じ布団をヨーイドン!で同時に使い始めても男性の方が布団が早く傷む傾向にあります。
ですので本来羽毛布団のお手入れは、丸洗いが5年に1回、リフォームが10年に1回というのが目安なんですけれども、男性の布団はもう少しサイクルを早めた方がベターです。
またカバーやシーツの洗濯頻度を男性は多めにしてもらう。これだけでもかなり布団の傷みは変わってきますよ。(通常ならカバー類の洗濯頻度は週1回ですが、できれば週2回ペースにしましょう。)
<中の羽毛の状態は?>
こちらが布団から取り出した羽毛です。
「20年ですよね?すごく良いじゃないですか!」
とは僕の第一印象。
上が新羽毛で、下がO様の羽毛
いやお世辞ではなく、本当に良いんです。もちろん汗と皮脂でダウンボールがコロコロ丸まってはいるけれどもすごく良い。ダウンボール自体の損傷がほとんどない上に原型をきちんと留めているものが多いんです。
しかも普通なら、中央の白い核から生えている羽肢(毛)が千切れてファイバー(ゴミ)になっているものなんですが、この羽毛はファイバーが非常に少ない。
少し話は脱線しますが、羽毛の良し悪しを測る指標として「ダウンパワー」という基準があります。基本的にはダウンパワーが高いものほど良い羽毛ということになりますので、消費者の方はダウンパワーだけを頼りに布団を選びます。それが普通です。
ですが羽毛は天然の産物ですから、数値だけで判断できるものではありません。どれだけ検査時のダウンパワーが高くても10年後にはフニャフニャになっていたり、ゴミだらけになっていたり。。。
今回の羽毛はダウンパワーも当然高い(はず)ですが、そういう数字では分からない部分においても質の良い羽毛だと言えます。
羽毛の劣化についてはこちらの動画をご覧頂くとイメージが湧くと思います。
<リフォーム後>
【取り出し羽毛】約1350g+1340g=2690g
【プレミアムダウンウォッシュ後】約2350g(−340g)
【補充羽毛】DP440 ポーランド産ホワイトグース95% 450g
【新側生地】スーパーソフトサテン
【キルト】変形5×6マス
【仕上げ羽毛量】1400g × 2枚
【リフォーム総額】145,000円+税
ご相談の結果、リフォームとしてはほぼ最高のクオリティで仕上げさせて頂きました。
解体して取り出した羽毛量はどちらの布団もほぼ1350gでした。恐らく1400g前後の量が入っていたのでないでしょうか。
除塵・温水洗浄でゴミや汚れを取り除いた後に残った羽毛は全部で約2350g。
ここに同クラスのポーランド産のマザーグースダウンを450g補充し、それぞれ元量の1400gで仕上げました。
ポーランド産のマザーグースと言っても色々あります。例えばポーランドから一度中国や台湾などの第三国に輸出され、その第三国を経由して日本に入ってくる羽毛。
なぜわざわざ中国や台湾を経由するのか。
普通に考えれば輸送コストが余分にかかるだけですから高くなるはずなんですが、不思議なことに第三国を経由して日本に入ってくるポーランド産の羽毛の方が安いんです。いやー不思議ですね 。(棒読み)
まさか第三国で、他国の羽毛と混ぜて増量してから、ポーランド産と偽って日本に輸出していたりしてませんよね?
いやーそんなまさか。(棒読み)
2018年ポーランドのマザーグース農場にて撮影
私どもは第三国を経由せず、直接ポーランドから日本に輸入している羽毛だけを扱っています。
またポーランド産のマザーグースに関しては、最も質の良い羽毛が取れる第3~4回目のハーベスティングで採取したものだけを使っています。これこそダウンパワーだけでなく、長年の使用にも耐えうる羽毛を提供するためです。
価格が高いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、真っ当なものをご提供するためにはそれなりのコストが発生するのだとご理解頂ければ幸いです。
生地に関しましては、元々の羽毛の質が非常に良かったため、通気度の高いソフトバティスト生地もご提案をさせて頂きましたが、今回は吹き出しリスクの低いスーパーソフトサテンをお選びになられました。
この生地はサテン織ながら99g/㎡と非常に軽量で、羽毛の膨らむ力を引き出してくれます。
手前味噌ですが、大変質の良い仕上がりとなりました。
これなら今後10年は当然として、またさらに10年使用することも夢ではありません。
きっとご満足いただけることと思います。
O様、ありがとうございました( ´ ▽ ` )
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