羽毛布団リフォーム|ロマンス小杉のゴアテックス
過去にご夫婦揃ってオーダーメイド枕をお作りさせて頂いたお客様から、羽毛布団のリフォームのご相談を頂きました。
【お預かりした羽毛布団】
メーカー:ロマンス小杉
使用年数:12年前後
サイズ:シングルサイズ
側生地:ポリエステル80% 綿20% ※ゴアテックスラミネート加工
羽毛:ホワイトグース92% 1300g
キルト:3×5立体
ロマンス小杉の羽毛布団です。同じ布団をペアで2枚お預かりしました。
こちらの羽毛布団の最大の特徴はゴアテックスのフィルムを貼り付けた生地を使っているというところ。
通常羽毛布団の生地には「ダウンプルーフ加工」という羽毛の吹き出しを防ぐ加工が施されますが、こちらの布団にはダウンプルーフ加工が施されていません。
なぜか?
ダウンプルーフを施す代わりに、ゴアテックスの薄いフィルムを生地の裏面に貼り付けてあるからです。
このフィルムにはとても小さな穴が無数に空いていて、ある程度空気は通すものの、この穴よりも大きなもの(ホコリやダニ)はフィルムを通ることができません。ダウンプルーフを施す必要がないのはこういう理由からです。
そしてダウンプルーフは経年変化でその効果が弱まりますが、ゴアテックスの場合は「フィルムが剥がれない限りその効果が続く」≒「吹き出しのリスクが極めて低い」という利点があるので、当店でも重度のアレルギーをお持ちの方にはしばしばゴアテックスの羽毛布団をオススメさせて頂いております。
こちらのお客様も、当時はアレルギーのあるお嬢さんと一緒に暮らしていたからという理由でゴアテックスの羽毛布団をお選びになったということでした。
とは言え重度のアレルギーをお持ちの方以外は通常のダウンプルーフの生地でも問題はありません。
お客様もそのおつもりだったようで、「ゴアテックスの生地を使ってリフォームをしましょうか?」とお尋ねしても「今はもう娘は家にいないので普通の生地でお願いします。」ということでした。
さて肝心の羽毛はというと、ゴアテックスの割には汚れていました。中の羽毛が汚れないのがゴアテックスのウリのはずですが…。
綿100%の生地にフィルムを貼り付けるのと、今回のようなポリエステル混の生地に貼り付けるのとでは汚れの浸透度が違うのかもしれません。この辺りは今後要研究ですね。
とはいえきちんとしたグースダウンでしたし、汚れているとは言ってもきちんと洗浄すればパワーが戻るレベルでしたので、十分リフォームする価値はあります。
リフォーム後
シングル2枚から同じくシングル2枚へのリフォームです。
取り出し羽毛:1,260gと1,180g
洗浄・除塵後:2,110g (2枚まとめて洗いました)
補充羽毛:DP420 ホワイトグース93% 500g
使用した側生地:ソフトサテン(114g/㎡)
キルト:オリジナルⅡ
リフォーム総額(2枚分):104,760円(税込)
全く同じ布団を2枚お預かりしましたが、1枚は品質表示よりも羽毛がかなり少ないです。生地に付着した分もありますから、100%完全に羽毛を取り出せるわけではないものの、120gも違うのはちょっと不可解です。リフォームをしているとよくあることですが…
洗浄・除塵後は約2,100gまで羽毛が減りました。そこで元々の羽毛と同クラスのグースダウンを500g補充し、それを二等分して1枚あたり1,300g入りで仕上げさせて頂きました。
またリフォーム前の時点では、羽毛の量に対してキルトのマチ高が浅すぎて凸凹が激しい布団になっていましたが、リフォーム後は身体にフィットしやすいように仕上げました。凸凹があると隙間風が入ってきますからね。
快眠屋では生地の軽さと、羽毛のパワー、量に応じて最適なマチ高で仕上げさせて頂きます。どんな布団も効率重視で一律仕上げというのではこうはいきません。
羽毛布団を大事に使っていきたいというお客様はどうぞ快眠屋にお任せください。