黒竜江省への旅① ~人生初の訪中~
さる11月14日に僕は中部国際空港から中国に旅立った。
うちの店では安徽省や黒竜江省、吉林省のグースダウンを扱っている。
これらのグースダウンはそんじょそこらの欧州産のグースダウンでは相手にならないほどクオリティが高い。
しかも欧州産よりも安価に入手できるため、同じクラスの欧州産よりもリーズナブルに販売することができる。
そのため産地にこだわらないお客様には、自信を持ってオススメさせて頂いているダウンだ。
今回いつもお世話になっている取引先から声を掛けていただき、これらのグースを育てている農場や、その羽毛の精製加工の手掛けている工場を、この目で実際に確かめられる機会を頂けた。
ちょうど改装前のセールやなんやらで忙しい時期だったが、二泊三日という短期スケジュールだったということもあり、これを逃す手はないとマッハで参加の返事をさせて頂いたのであった。
出発前にセントレアの搭乗ロビーでパチリ。
黒竜江省へは、まず北京空港に向かい、そこから長春空港に入るのだ。
写真では怪しげな笑みを浮かべているが、内心ではビビりまくっている。
飛行機に乗る前の嫌な緊張感は未だ慣れない。
ありきたりな話ではあるが、空を飛ぶ原理が理解できないのである。
いや正確に言えば、原理は頭では理解できているものの、それが肌感覚としては腑に落ちていないのである。
さらに最終目的地の吉林は、温暖な三重県からは想像もつかないほど厳しい寒さだと事前に聞いていたので、寒さに弱い自分でも果たして耐えることができるのかという不安とも戦っていたのだった。。。ガクブル。
なんとか飛行機の乗り継ぎをこなし、長春空港に到着。雪がちらついている。
北京の時点では「へっ、なんてことない寒さだぜ。」と余裕綽々だったが、長春の空港を出た瞬間、凍死を覚悟するほどの寒さに襲われ、寒い寒い寒いと喚く僕。多分一番騒いでいたんじゃないかと思う。恥ずかしい。。。
気温は氷点下5℃くらいだったかな?
ところが通訳の張さんに「吉林ではこれはまだ暖かいほうです(ニッコリ)」と流暢な日本語で言われ戦慄を覚える。姉が出発前に持たせてくれたモコモコの耳当てがなかったらと思うと。。。ヒエッ〜!!
長春空港には、今回見学にお伺いする会社の社長さん(この方も張さん)が息子さんとドライバーさんと一緒に車4台で迎えに来てくださっていたので、おかげさまで車に乗り込んでからは寒さとは無縁の時間を過ごさせて頂いた。シェイシェイ。
ちなみに車はメルセデスのGLとアウディのQ7とトヨタのランドクルーザー×2。
おそるべし。
後に分かったが、市内を走っている車の半数近くがSUV系だったので、きっとこういう四駆系の車でないと極寒の凍った道や、補正されていない道をスムーズに走れないんだろう。実際グース農場までの道のりも恐ろしいものだった。
これが宿泊した吉林市内では最高グレードとなる五つ星のホテル。
といっても一泊600元だったので、日本円にして約9000円。
これならブルジョワではない僕でもなんとか宿泊できるレベル。
ドイツのホテルもこのクラスに泊まれたらいいのにな、なんて土台無理な夢を抱いてしまう。
(いつも三ツ星、頑張って四つ星)
ホテルにチェックインした後は、ホテル内のレストランで会食。
見たことのない料理がデカイ円卓に続々と並んでいく。
終始何これ?何これ?状態で、口に合わなかったらどうしよう(失礼)なんてことを考えるが、水餃子や焼き餃子、味付けが想像できそうな炒め物などもあり、ホッと胸をなでおろす。
写真右が張社長で、左が通訳の張さん。どちらも張さん。
結論から言うと、個性的な料理もあるものの、全体としては美味しかった(なぜか上から目線)。
ただし、見た目からは想像もできないほど甘い料理が普通の味付けの料理の中に潜んでいると言うトラップが仕掛けられていたり、「これあったかかったらもっと美味しいのになぁ」と思う場面もあった。
え?中華は火力が命なんじゃないの??これすごい冷えてしもとるけどええの?温かかったら10倍うまいと思いまっせ???という感じ。
二日目のお昼に頂いた料理も冷めた状態で供されることが多かったし、ホテルの朝食ビュッフェに至っては、IHヒーターの上に料理が置かれているにも関わらずヒエッヒエの状態だったから、もしかしたら吉林ではこれがリアルなのかもしれないな。
絶対あったかい方が美味しいって!!と声を大にして言いたい。
あ、張さん(通訳さん)にどうして冷たい状態で置いてあるのか聞けばよかった。残念、次会ったら絶対聞こう。
そしてもっとも恐ろしいのが食事中に、ジャスティン(国際貿易部の部長さん)から発せられる「かんぺえ!(乾杯?)」という合図である。これを言われると、食事をしている人はグラスに入っているお酒を一気飲みしないといけないという謎ルールで、お酒の強いジャスティンはニヤニヤしながら逐一「かんぺえ!」とグラスを掲げるのである。
比較的飲みやすいビールなら良いものの、アルコール度数50を超えるパイチュウというお酒を指定してのかんぺえもあり、これは正直に言って凶悪だ。ああ、ドイツのシュナップスを思い出す。お酒が弱い僕にはかなりきついものがあり、ビクビクしながら食事をする羽目になった。
とはいえ悪魔的にずる賢い僕は、飲んだふりという荒技(せこい)や、グラスには常に少量しか注いでおかないという妙技(せこい)を難なく使いこなし、ベロンベロンになって翌日二日酔いで使い物にならないという最悪のケースだけは回避することができたのだけど。
吉林で現地の方と食事をする時は気をつけましょう。
※これが中国全土の習慣かどうかは分かりません。
なんだか羽毛の話が一切出てこないぞ。
ここはいつから旅ブログになったんだ!
とお思いの方、多分次回はちゃんと仕事の話をしますので、しばしお待ちを。