近江の麻工場を訪問してきました|滋賀県湖東地区
日本最大の湖、琵琶湖。
この琵琶湖の東岸にある湖東地区では、湖面からの湿潤な気候(霧)と、鈴鹿山系から流れ込む愛知川(えちがわ)の美しい水に恵まれ、古くから麻の製織や加工が盛んです。
実は快眠屋が毎年これから夏の時期に販売している、オリジナル「洗える近江縮みクールパッド」もこの湖東地区(近江)で作ってもらっているものです。
先日、私たちはこの近江縮み麻工場を訪問し、今年度販売する予定の近江縮み製品を作ってもらっている現場を見てきました。
どうやって布(生地)は作られているの?
そんなこと (私の記憶が正しければ) 学校では習いませんから、もしかしたら皆さんのイメージは「なんとく大きな機械がデーンッ!とあって、何かのボタンをポチッと押したら後はもう全自動でビャー!っと生地が飛び出てくる」というものかもしれません。なんせ今やテクノロジー全盛の平成も終わってまさに令和を迎えんとする2019年なのですから。
ですが実際は違います。もちろんオートメーション化されている部分も多くありますが、未だに手作業でしかできない工程もあり、至る所に職人さんたちの職人芸ともいうべき技術があってこそ、高品質な麻生地が生み出されているのです。
例えば「整経(せいけい)」。
整経とは文字通り、製織(せいしょく)工程の下準備として経糸(たていと)を整えることです。
織物設計に基づいて、経糸として必要な本数・長さ・密度・幅を一定の張力でビームに巻き取っていく。
実際に巻き取る作業は整経機が行いますが、麻の糸、それも細番手の上質な糸はデリケートなので作業途中に糸が切れてしまうこともあります。その場合は職人さんがただちにその箇所を突き止めて繋いでくれます(職人技ですね)。これは素人が一朝一夕でできるものではありません。
それに何よりこの数百本から数千本の経糸は全て手作業でセットします。糸が1色の場合はまだマシですが(それでも大変)、これが柄物になってくると様々な色の糸を適切な場所にセットする必要があるわけで、もはや気が遠くなる作業です。
この事実を知っていれば、「とりあえずサンプルで10mくらい織ってみてもらえませんか?」なんて軽はずみは発言ができようはずがございません……(ドキッ)。
そして整経の次は、「製織(せいしょく)」です。
これは整経で用意した経糸に緯糸を織り込んでいく工程。「たーての糸はあーなたー。よーこの糸はわーたしー。」(唐突な中島みゆき)。
この作業中も糸が切れて機械が止まってしまうことがありますので、常に職人さんが目を光らせています。
快眠屋のオリジナル近江縮みの元となるラミー麻生地を織ってもらっているところ。今年も5色の近江縮みをご用意しましたが、そのうちの桜という色です。白い経糸と、桃色の横糸が合わさってちょうどいい色に仕上がっています。
出来上がった生地は、傷・汚れがないかを入念にチェックし(検反)、用途に合わせて裁断されます。この作業も効率よく、スピーディに行うにはやはり経験がモノを言う世界。
今回は糸の段階から一枚の生地を織り上げるまでの工程を簡単に説明させていただきましたが、原料の段階から糸になるまでの工程も含めると、本当に数え切れないくらいの人の手が関わることで初めて「真に高品質な品物」が世に産み出されるわけです。
私たち小売店には出来上がった製品の素晴らしさをお伝えするだけでなく、こういった背景の部分までお伝えする責務がある。かねてからのこの想いがさらに強まった1日となりました。
こちらの工場で作ってもらっている、快眠屋のオリジナル「洗える近江縮みクールパッド2019ver.」と「洗える近江縮みクールケット2019ver.」の詳細はこちら。