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洗えるキャメルケット

1〜3万円程度のダウンケットを買うくらいならキャメルケットの方が快適という話

ダウンケットとは薄手の羽毛布団のこと。製品によって羽毛が何グラム入っているかは変わってきますが、シングルであれば概ね150〜400グラム程度のものを指します。

当店でもダウンケットは販売しておりますが、記事のタイトルにもあるように1〜3万円程度の安価なダウンケットを購入するくらいなら、いっそのことダウン(羽毛)にこだわるのはやめて、キャメル(ラクダ)ケットを購入された方がよほど快適に眠ることができます。

◆洗えるキャメルケット◆

キャメルケット
洗えるキャメルケット
洗えるキャメルケット

[サイズ]150×210cm
[生地]綿100%(コットンニット生地)
[中綿]キャメル100% 500g
[価格]25,300円(税込)

[製造国]日本 (cocon社製)

なぜダウンケットではなくキャメルケットを推すのか

洗えるキャメルケット

理由はシンプル。キャメルケットの方が汗を吸う機能に圧倒的に長けていて、その点で安価なダウンケットよりも日本の気候に適しているからです。

快適性云々よりも、羽毛を使うことが目的なのであればダウンケットでもいいかもしれませんが、快適に眠ることが目的で寝具を購入されるのならキャメルケットの方が適切です。

快眠の秘訣は寝床内気候を「33℃、50%」に保つこと

洗えるシルクのふんわり肌掛け布団(手引真綿ふとん)

掛寝具と敷寝具の間にできる空間を寝床内(しんしょうない)と言い、寝床内の温度と湿度のことを寝床内気候(しんしょうないきこう)と言います。

私たち人間がストレスなく快適な眠りを手にいれるには、この寝床内気候を温度33℃前後、湿度50%前後に保つことが極めて大切です。

特に湿度には注意が必要です。梅雨時に体調を崩したり、仕事やスポーツのパフォーマンスが低下する経験がある人も多いと思いますが、それは寝ている時も同じこと。同じ33℃でもカラッと乾いた状態と、ジメッと湿った状態では眠りの深さが大いに変わってきます。

入眠時の大量の汗と24時間放出の不感蒸泄

寝ている間にコップ1〜2杯の汗をかくというのは有名な話ですが、私たち人間は入眠時に深部体温(脳や内臓の温度)を下げるために大量に汗をかきます。昼間に酷使した脳と内臓の温度を寝ている間に下げることで、昼間の疲れを取り、身体の回復を促すメカニズムになっています。

またこの汗に加えて、私たちは24時間常に肌から水蒸気を出しています。これは流れるような液体としての汗ではなく、水蒸気としての汗ですので、自覚することはまずありません。ですが自覚できていないだけで、事実として水蒸気が出ています。(この自覚できない水蒸気のことを不感蒸泄と言います)

寝具に十分な吸湿性と放湿性があればこの入眠時の汗と不感蒸泄をうまく処理することができるので、寝床内気候を快適な状態に保つことができます。しかし寝具に汗を吸う力が無ければどうでしょう。時間と共に湿度がドンドン上昇し、とても快適な環境とは言い難くなります。目が覚めたり、ゴロゴロと寝返りを繰り返したり、布団を蹴飛ばしたり。疲れが取れないのも無理はありません。

我々快眠屋が寝具の吸湿性や通気性にとことんこだわっているのは、この不感蒸泄と入眠時の発汗の両方に対応するためです。

ダウンケットの蒸れにくさは生地の良し悪しで決まる

プレミアムバティスト

一般的に羽毛布団やダウンケットは吸湿性に優れた蒸れにくい布団と宣伝されています。しかし残念なことにそれは誤りです。蒸れにくい布団と言ってしまうのは、寝具に関してあまりにも知識がないか、「本当は蒸れるけど、正直に言っちゃうと売れないから、蒸れないってことにしておこう」と心の中の悪魔に負けてしまっているかの二択でしょう。

確かに羽毛そのものは蒸れにくい素材です。しかし羽毛が蒸れにくい素材だからといって、ダウンケットが蒸れにくいかどうかは全く別の話。というのもダウンケットの蒸れにくさは中身の羽毛ではなく、羽毛を包んでいる布団本体の生地の通気性によって決まるからです。いくら羽毛そのものが蒸れにくかったとしても、組み合わせる生地の通気性が低ければダウンケットは確実に蒸れます。そしてごく一部の例外を除いて、ダウンケットの生地には非常に蒸れやすい生地が使われています。

安価なダウンケットには必ずと言っていいほどポリエステル系の生地が使われている

低価格帯のダウンケットに使用されている生地は、とにかく安く作ることを目的にしていますので、ポリエステル100%やポリエステル85%綿15%の生地が使用されています。このようなポリエステルを使用した生地は、綿100%の生地に比べて生地自体の吸湿性が低いだけでなく、通気性が極めて低いため、いわばビニールに近い素材と言えます。

具体的には、ダウンケットに使用する生地の場合、綿100%の生地なら通気度は概ね1.5〜2.0cc程度。ポリエステル100%やポリエステルが混ざった生地となるとたった0.5〜1.0cc程度しかありません。キャメルケットの生地の通気度は100ccを軽く超えるので桁が二つも違います。

これでは入眠時に深部体温を下げるために出る大量の汗と、24時間常に放出されている不感蒸泄をスムーズに吸収することは到底できません。寝床内気候を快適な状態に保つことは不可能です。

湿度が高い日本の夏に安価なダウンケットが向かないと申し上げているのはこのためです。

(※通気度が5.0cc以上の生地を使っていて、尚且つキルティングパターンが非常に細かいダウンケットなら比較的蒸れにくいと言ってもいいでしょうが、このような希少なダウンケットは1〜3万円では手に入らないので、この記事で言うところの安価なダウンケットには含まれません。またこのような高級ダウンケットだとしても、蒸れにくさにという1点においてはキャメルケットの方が優れています)

軽さは劣るが、総合的な快適性はキャメルケットが上

キャメルと羽毛を比べた場合、キャメルの吸湿性は羽毛の約1.2倍です。また蒸れ感を大いに左右する生地の通気性についても、キャメルケットの生地は一般的なダウンケットの100倍以上。個人の好き嫌いは別として、寝床内気候を快適に保つという点ではキャメルケットに圧倒的な優位性があります。

洗えるキャメルケット

キャメルケットがダウンケットに対して劣っている点は布団自体の総重量です。キャメルケットの総重量は約1500gですが、ダウンケットの総重量は概ね1000〜1300g前後。これは主に生地の違いで、ポリエステルは綿よりも軽いので、生地にポリエステルを大量に使ったダウンケットは蒸れやすい反面、非常に軽い傾向にあります。

尚、綿100%の生地を使った安価なダウンケットの場合、ほぼ間違いなく低レベルな重い生地が使われています。こういったダウンケットならキャメルケットとそこまで重さは変わりません。

快適性を優先するならキャメルケット、軽さ優先するなら一部条件付きでダウンケットが適切とお考え下さい。

洗えるキャメルケット