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マイルドアイダーダウンの羽毛布団

羽毛布団リフォーム事例[兵庫県T様]アイダーダウンの偽物、マイルドアイダーダウン

兵庫県から羽毛布団リフォームのご相談

マイルドアイダーダウンの羽毛布団

先日兵庫県にお住まいの方から羽毛布団リフォームのご相談を頂戴いたしました。「生地が破れて中身が出てきている。かなり高価なものだったので、できることならリフォームをして長く使いたい。」というご相談です。

ここまではよくあるお話で、生地が破れてしまったからリフォームをしたいというご相談は珍しいものではありません。実際に当店に寄せられるご相談の三割程度は「生地が破れてしまったからリフォームして欲しい」というものです。比較的丈夫な綿100%の生地であっても使用年数によっては生地が裂けることがありますが、一部に絹(シルク)を使用した生地は特に裂けやすいので、使用方法によっては10年経たずに生地が裂けて中身が出てきてしまうこともあるのです。

届いた羽毛布団にはマイルドアイダーという表記が

送って頂いた羽毛布団を拝見すると、たしかに生地が破れており、掛け布団カバーの内側で羽毛が散乱しています。(生地にはやはり絹が使われていました)

マイルドアイダーダウンの羽毛布団

カバーを外しながら布団の品質表示タグを探していくと、キレイに全ての表記が残っていました。

[キルト]二層式キルト
[側生地]表地 絹54%綿46%/裏地 綿100%
[羽毛]マイルドアイダーダウン98%
[充填量]1600g

特筆すべきはマイルドアイダーダウンという言葉です。

マイルドアイダーダウンの羽毛布団

寝具に詳しい方であればアイダーダウンの存在はご存知でしょう。アイダーダウンは北極圏に生息する野鳥・アイダーダックの羽毛のことで、「羽毛の宝石」と言われています。

アイスランド産アイダーダック98%
アイスランド産アイダーダック98%

羽毛同士が密接に絡み合うというアイダーダウンならではの特性と、採取量が極めて少ないという希少性から非常に高値で取引されており、シングルサイズの冬用ですと日本国内では100〜200万円で販売されています。(当店の場合は90〜100万円ほどです)

いくらアイダーダウンを使った羽毛布団が快適とはいえ、流石にこのあたりの価格になってくるとそう容易く手が出せるものではありません。

アイダーダウンとマイルドアイダーダウンは全くの別物

そこでアイダーダウンの類似品として出回るようになったのが、ネオアイダーダウンやアイダリッシュダウン、そして今回のマイルドアイダーダウンです。

これらの微妙に名称が異なるアイダーダウンは、本物のアイダーダウンとは全くの別物で、実際はマスコビーダックという品種の水鳥から採取された羽毛となります。パッと見はアイダーダウンに似ているのですが、アイダーダウンほどの羽毛同士の絡みはありませんし、なにより羽毛原料の価格も本物の1/10〜1/20と激安で、その品質を考慮しても高額なものとはとても言えません。

我々専門家が見ればすぐに偽物と見分けられるのですが、一般消費者の方ではなかなか判断がつかないのも無理はなく、「本物のアイダーダウンである」というように虚偽の説明を受けて購入されてしまうケースもあれば、「アイダーダウンと同じような羽毛が本物の半額くらいで購入できますよ」という説明を受けて「それならば」と購入されてしまうケースもあるようです。

前者は完全なる詐欺ですので論外ですが、後者の場合も妥当な価格設定とは言い難いのでかなり悪質です。(今回のお客様は本物のアイダーダウンと思っておられたようです)

本物のアイダーダウンと比較すると

マイルドアイダーダウンの羽毛布団

こちらがお客様のお布団から取り出したマイルドアイダーダウンです。当然といえば当然ですが、アイダーダウンとは別物です。

そこで新品のアイダーダウンと10年以上使用したアイダーダウン、そして今回送って頂いたマイルドアイダーダウンを比較してみました。動画をご覧頂くとマイルドアイダーダウンとは名ばかりで、アイダーダウンとは大きく違うことがお分かり頂けるはずです。

当店の場合、リフォームをお受けする前にかならず動画で羽毛の状態、質を確認いただいているのですが、こういったケースはお客様にどう説明すればよいのか毎度苦慮します。良いと思って購入したものが偽物だと言われたら、誰だって気分が良いものではないでしょう。写真や動画を交えながらメールと電話で詳しく説明させて頂いたのですが、やはりお客様もアイダーダウンではなかったことに心を痛めておられました。

最終的にリフォームはとりやめられることに

ご相談の結果、今回のマイルドアイダーの羽毛布団についてはリフォームはせず、我々の方でグリーンダウンプロジェクトに提供させて頂くことになりました。「アイダーではないが上質な羽毛」ということでしたらリフォームがベターかと思いますが、残念ながら今回の羽毛はそうではありません。生意気な物言いで恐縮ですが、それが正解だと我々も思います。

売上的にはどんな羽毛布団であってもリフォームをオススメするのが正しい姿なのでしょうが、それでは我々のような専門店が存在する意味がありません。リフォームする価値がないと判断させて頂いた場合は正直にお伝えさせて頂いておりますので、今後リフォームの相談をご検討されている方はどうかご理解頂けますと幸いです。