羽毛布団リフォーム事例[千葉県F様]15年使用した大塚家具ダウナの吹き出しで悩んでいる(ダブル1枚→シングル1枚)
快眠屋では三重県内はもちろん、県外のお客様からも羽毛布団リフォームのご相談を多く頂戴しております。遠方にお住まいの方でも安心してリフォームのご依頼を頂けるように写真や動画を交えて1枚1枚丁寧に現状説明をさせて頂いております。布団を直接持ち込めないというお客様もお気軽に電話、LINE、メールでご相談下さい。
※遠方にお住まいで羽毛布団のリフォームをお考えの方はこちらのページをご覧ください。
目次
羽毛(ファイバー)の吹き出しにうんざり気味
千葉県のお客様(F様)から大塚家具ダウナのリフォーム依頼を頂戴しました。ありがとうございます。
F様のお話によるとダウナの軽さ、暖かさには満足していて、一年中使用しているものの、最近はあまりにも羽毛の吹き出しがひどいのでうんざりしている状態だそうです。そんな中、当店のダウナのリフォーム事例をご覧になり、お問い合わせ頂きました。ありがとうございます。
ダウナは「軽くて蒸れにくいというメリットがある一方で、吹き出しが極めて起こりやすい生地」を使用しているのが最大の特徴です。快適な寝心地が得られる一方で、組み合わせる羽毛のクオリティ(購入時期)や日頃の使用方法によっては吹き出しが発生することがあり、当店にはこの吹き出しでお悩みのお客様から多くリフォームのご相談を頂戴しております。
吹き出しが起こらないようにリフォームするだけなら本当に容易いことですが、ダウナをお使いの方は今回のF様のように「吹き出し以外の面ではダウナの掛け心地を気に入っている」というケースがほとんどですので、ダウナをリフォームする際は「吹き出しを抑えつつ、どこまでダウナの掛け心地を再現できるか?」ということを意識してリフォーム内容を決定する必要があります。
尚、ダウナの概要と、ダウナのリフォームについては下記リンク先のページで詳しく解説しておりますので、ダウナのリフォームをご検討されているお客様はまずはこちらのページをご覧頂けますと幸いです。
<過去のダウナのリフォーム事例を一部ご紹介>
リフォーム前のダウナ
[サイズ]185×210cm(実寸180×200cm前後)
[側生地]綿100%
[キルト]5×5マス立体キルト
[羽毛]ポーランドマザーグースダウン95%
[充填量]1240g
こちらがF様のダウナです。第一印象は15年のご使用にも関わらず、汚れが非常に少ない、ボリュームがあるといったもの。冬場だけの15年ではなく1年中使用しての15年ですからね。もちろん新品同様というわけではありませんがびっくりです。
やはり全く同じものでも使い方やメンテナンスで5年後、10年後の状態が大きく違うことを痛感します。
タグにサイズは(185×210cm)と記載されているものの、実際は180×195cmとかなり小さめです。品質表示のサイズと同じ大きさの掛布団カバーをセットしてもサイズがぴったり合わないとお感じになっておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的にダウナは表示よりも実寸が小さいことが多いので注意が必要です。
またこれもダウナあるあるですが、布団の内部で羽毛が移動して、羽毛がたっぷり入っているマスと入っていないマスの差が顕著になっています。羽毛の偏り、移動が起こるかどうかはひとえに仕立ての問題です。縫製をきっちりしていればよほどすごい使い方をしない限り羽毛が移動することはありません。
羽毛の状態を確認
こちらがダウナから取り出した羽毛です。布団の見た目からある程度想像はついていましたが、状態は良く、致命的な劣化はありません。
左が新品で、右がダウナです。写真ではわかりにくいですが、ダウンボールのカタチも良く、十分にリフォームする価値があります。(F様には動画も交えて状態を説明させていただきました)
洗浄・除塵結果
【取り出し羽毛量】
◆ 約1250g
ダウナを解体して取り出せた羽毛はおよそ1250gでした。布団内部の生地やマチ布にこびりついた羽毛は取り出すことができないので、実際には品質表示(1240g)よりも多く羽毛が入っていた計算です。
【洗浄・除塵後の羽毛量】
◆ 約1070g
そしてプレミアムダウンウォッシュ(洗浄・除塵)後の羽毛量はおよそ1070gとなりました。約15%減ですね。
今回はダブルからシングルへのサイズダウンであることと、羽毛の状態が良かったことで補充羽毛は使用せず、この残った1070gを全て使用してリフォームを仕上げました。
リフォーム後
- [サイズ]150×200cm
- [キルト]変形5×5マス立体 (マチ9cm)
- [充填量]1070g (補充羽毛なし)
- [生地]ソフトバティスト (ナチュラルウォッシュあり)
こちらがリフォーム後です。
元々はダブルサイズのダウナでしたが、今回はシングルサイズへのサイズダウンを希望されていたのでシングルサイズで仕上げています。
ただ当初の打ち合わせでは日本で一般的な150×210cmで仕上げる予定でしたが、F様のご希望であえて長さを200cmとし、10cm短く仕上げることになりました。ややショート丈のシングルサイズ(150×200cm)ですね。これはより軽く、取り扱いの容易さを目指した結果です。(ちなみにF様の身長は155cmです)
変則サイズとなると掛布団カバーが探しにくくなりますが、その点もご了承済みです。
側生地は「ある程度通気性を確保しつつ、吹き出しを防ぎたい」というO様のご要望でソフトバティストを使用しました。よりしなやかさを出すためにナチュラルウォッシュ加工で通常のソフトバティストよりもさらにしなやかに仕上げています。
それでもダウナと比べるとハリがありますが、ダウナのあのしなやかさは羽毛の吹き出しと引き換えの禁断技なのでお許しください。。。
キルトは変形5×5マス立体キルトで、マチ高は9cmとほぼダウナ並に仕上げました。これは羽毛の状態と充填量、生地の軽さを勘案し、今回に限ってはここまで高さを上げても問題ないと判断したからです。(通常はここまで上げることはありません)
自画自賛で恐縮ですが、リフォーム前と比べるとほぼ新品の状態に仕上がっているのではないかと思います。
その後、お客様からの声
一昨日無事に届き、その日から使い始めました。
確かに今までの生地の柔らかホワホワ感はありませんが、ナチュラルウォッシュ加工のお陰か私にはさほど気になりません。
ダウンサイズもあり、軽くて使い心地は抜群です。
起床後に布団を整える際も、今までは細かい吹き出しが舞っていましたが今は一切ありません。
カバーを外すのも躊躇していたのですが、これからは心おきなく洗濯が出来そうです。
植村様にリフォームをお願いして本当に良かったと思っています。
たくさんのことを教えていただき、色々悩み、大満足の結果となりました!
大変お世話になり、本当にありがとうございました!
F様から職業冥利につきお言葉を頂戴しました。ここまで喜んで頂けるとこちらもとても嬉しくなります。生地は使用するにつれて、よりこなれてソフトになっていきますのでさらに快適におやすみいただけるはずです。
F様、この度は本当にありがとうございました。今後のメンテナンスも安心してお任せくださいね。
最近はインスタグラムの投稿が多めです。ブログほど濃い内容ではありませんが、フォローして頂けると喜びます。
また先日羽毛布団リフォームに特化したインスタグラムアカウントを解説しました。そちらもご覧いただけますと幸いです。