羽毛布団リフォーム事例[富山県O様]7年前に購入した大塚家具ダウナの吹き出しが気になる(キング2枚→クイーン2枚)
快眠屋では三重県内はもちろん、県外のお客様からも羽毛布団リフォームのご相談を多く頂戴しております。遠方にお住まいの方でも安心してリフォームのご依頼を頂けるように写真や動画を交えて1枚1枚丁寧に現状説明をさせて頂いております。布団を直接持ち込めないというお客様もお気軽に電話、LINE、メールでご相談下さい。
※遠方にお住まいで羽毛布団のリフォームをお考えの方はこちらのページをご覧ください。
目次
リフォームのきっかけは羽毛(ファイバー)の吹き出し
富山県のお客様(O様)から大塚家具ダウナのリフォーム依頼を頂戴しました。ありがとうございます。
O様が困っておられるのはこの2点です。
①吹き出しが気になる
②ベッドのサイズが変わったので羽毛布団が大きすぎて困っている
①の吹き出しはダウナのリフォームで最も多いお悩みです。ダウナは「軽くて蒸れにくいというメリットがある一方で吹き出しが極めて起こりやすい生地」を使用しているため、快適な寝心地が得られる一方で、組み合わせる羽毛のクオリティ(購入時期)や日頃の使用方法によっては吹き出しが発生することがあります。
この場合、吹き出しが起こらないようにリフォームするだけなら容易いことですが、ダウナをお使いの方は「吹き出し以外の面ではダウナの掛け心地を気に入っている」というケースがほとんどですので、ダウナをリフォームする際は「吹き出しを抑えつつ、どこまでダウナの掛け心地を再現できるか?」ということを意識してリフォーム内容を決定する必要があります。
また②のサイズのお悩みは、これはダウナに限らず多くの方から寄せられるご相談です。購入当時はちょうど良いサイズだったとしても、5年、10年、20年も経つと家族構成やライフスタイル、住居が変わることはよくあります。
当店の場合は1枚1枚フルオーダーでリフォームをしますので、サイズ変更、厚みの変更、枚数の変更、全てに対応が可能です。
尚、ダウナの概要と、ダウナのリフォームについては下記リンク先のページで詳しく解説しておりますので、ダウナのリフォームをご検討されているお客様はまずはこちらのページをご覧頂けますと幸いです。
<過去のダウナのリフォーム事例を一部ご紹介>
リフォーム前のダウナ
ダウナ肌掛け
[サイズ]260×210cm
[側生地]綿100%
[キルト]7×5マス立体キルト
[羽毛]ポーランドマザーグースダウン95%
[充填量]700g
ダウナ本掛け
[サイズ]260×210cm
[側生地]綿100%
[キルト]7×5マス立体キルト
[羽毛]ポーランドマザーグースダウン95%
[充填量]1820g
こちらの2枚がO様が送ってくださったダウナです。サイズはいずれも大塚家具基準のキングサイズ(260×210cm)ですが、一般的なキングサイズは230×210cmのことが多いので、キングサイズと言ってもかなり巨大なキングサイズです。またダウナの場合、品質表示のサイズよりも実際のサイズが小さいことがほとんどなのですが、今回のO様のダウナはほぼ品質表示通りの大きさでした。
厚みは夏用の肌掛け(700g)と冬用(1820g)の本掛けです。
羽毛の状態を確認
O様が丁寧に使われていたおかげで、羽毛の劣化はさほどありません。この状態なら十分にリフォームは可能です。(同じ使用年数でもリフォームが難しい羽毛もありますので、、、元々の羽毛のクオリティが良いことが大前提ですが、使用頻度や使用方法も羽毛の劣化に大きく影響します)
洗浄・除塵結果
【取り出し羽毛量】
◆ 約1830g
◆約720g
ダウナを解体して取り出せた羽毛はおよそ1830gと720gでした。布団内部の生地やマチ布にこびりついた羽毛は取り出すことができないので、実際にはこれ以上の羽毛が入っていたことになります。品質表示には1820gと700gと記載されていましたが、おそらくそれよりも多めに羽毛が入っていたのではないかと思われます。
【洗浄・除塵後の羽毛量】
◆ 約2200g
そしてプレミアムダウンウォッシュ(洗浄・除塵)後の羽毛量はおよそ2200gとなりました。約-14%減ですね。
羽毛の劣化レベルや洗浄・除塵作業後の目減り率によっては新しい羽毛の補充が必要ですが、今回のリフォームはキングサイズからクイーンサイズへの大幅なサイズダウンということと、羽毛の状況も良好ということで、新しい羽毛は補充せずに残った2200gの羽毛だけで布団を仕立てることにいたしました。
リフォーム後
本掛け
- [サイズ]210×210cm
- [キルト]6×5マス立体(マチ8cm)
- [充填量]1550g
- [生地]ソフトバティスト
肌掛け
- [サイズ]210×210cm
- [キルト]9×7マス立体(マチ2cm)
- [充填量]650g
- [生地]ソフトバティスト
こちらがリフォーム後です。
サイズは日本で一般的なクイーンサイズ(210×210cm)で仕上げています。
ダウナをリフォームする上で最も重要な生地は「ある程度通気性を確保しつつ、吹き出しを防ぎたい」というO様のご要望でソフトバティストを使用しました。ダウナと同じ綿100%の平織生地ですが、通気性は日本の一般的な生地とダウナの生地のちょうど中間くらいに位置しています。まさに低すぎず、高すぎずです。
ダウナよりもかなり打ち込み本数が多いので、本来ならダウナよりも重くなってしまうところなのですが、ダウナよりも細い糸を使っているのでむしろダウナよりも軽いです。また強度も上ですね。
ただし打ち込み本数が多いということは生地のしなやかさを失うということでもあるので、「羽毛の吹き出し上等!」のダウナと比べるとややしなやかさに欠けます。使い込んでいくと徐々にしなやかにはなってまいりますがその点はご容赦ください。(このデメリットは必ず皆様にお伝えさせていただいております)
本掛けの方は6×5マスの立体キルトですので、ダウナのキルトをほぼ踏襲した形で仕上げております。違うのはマチ高ですね。ダウナは日本の一般的な羽毛布団(4〜5cm)と比べて2倍以上マチ高が高いのですが、マチ高が高くなりすぎると1マスあたりの容積が大きくなりすぎてしまい、マスの内部で羽毛の片寄りが起こりやすくなります。
そこで快眠屋ではダウナの良さを残しつつ、このデメリットを改善するためにダウナより少しだけマチ高を低めに縫製しています。今回は8cmですが、羽毛の傷みや充填量、生地の軽さによっては7cm以下や9cmで仕上げることもあります。フィット性や耐久性にも影響する大事な要素です。
一方で肌掛けは大きくキルトを変えました。9×7マスの立体キルトでマチ高は2cmです。
ダウナの場合、羽毛の充填量が少ない肌掛け布団も、羽毛がたっぷり入っている本掛け布団も同じマスの数で仕上げていますが、本来最適なマスの数とマチ高は肌掛けと本掛けでは大きく異なります。羽毛の量が少なくなるほどマスの数を増やす必要があり、またマチ高もマスの数に応じて調整すべきです。
その点リフォーム前の肌掛布団は260×210cmの大きなキングサイズでも7×5=35マス。これでは生地がブカブカになってしまって片寄が起こるのも無理はないので、今回は210×210cmへのサイズダウンであっても9×7=63マスとかなり縫製を細かくしています。サイズ差を踏まえると、ほぼ倍以上の数ですね。手間と時間はかかりますが、そうした方が良いと考えているのでそうさせて頂きました。
このキルトなら経年劣化で羽毛が傷んできても片寄りは起こりません。
この仕上がりならきっとご満足頂けるのではないかなと思います。O様、この度は弊店にご縁をいただき誠にありがとうございました。
その後、お客様からの声
お世話になっております。
7月31日にお布団を受け取りました。
とても丁寧に梱包されていて、直筆のお手紙まで頂戴いたしまして、お心遣いありがとうございます。
お布団はキルトのマスが細かくなり、片寄りにくくなって使いやすそうです。
生地は以前と比べると、ハリ感はありますが、思っていたより柔らかくて、気にならなそうです。
何より綺麗になって格段に扱いやすくなり、アレルギーや掛け布団カバーの掛け替えのストレスから
解放されそうで、とっても嬉しいです!!
今は暑くてまだ出番はありませんが、秋口になりましたら使うのを大変楽しみにしております。
また、何かお願いすることがあるかも知れませんが、その時はぜひよろしくお願いしたいと思います。
終始丁寧な対応をして頂き、今回リフォームをお願いして本当に良かったです。
心から感謝し、お礼申し上げます。本当にありがとうございました。
まだしばらくは厳しい暑さが続きそうですので、くれぐれもご自愛下さいませ。(原文ママ)
羽毛布団を受け取って頂いたO様から大変嬉しいお声を頂戴しました。真価が問われるのは実際にお使い頂いてからというのは十分承知しておりますが、それでもこういった言葉を頂戴できると励みになりますね。O様、今後もメンテナンスも安心してお任せください。
最近はインスタグラムの投稿が多めです。ブログほど濃い内容ではありませんが、フォローして頂けると喜びます。
また先日羽毛布団リフォームに特化したインスタグラムアカウントを解説しました。そちらもご覧いただけますと幸いです。