羽毛布団リフォーム事例[神奈川県K様]元大塚家具社員の方からダウナのリフォーム相談を頂戴しました
快眠屋では三重県内はもちろん、県外のお客様からも羽毛布団リフォームのご相談を多く頂戴しております。遠方にお住まいの方でも安心してリフォームのご依頼を頂けるように写真や動画を交えて1枚1枚丁寧に現状説明をさせて頂いております。布団を直接持ち込めないというお客様もお気軽に電話、LINE、メールでご相談下さい。
※遠方にお住まいで羽毛布団のリフォームをお考えの方はこちらのページをご覧ください。
目次
約20年ご使用になったダウナ
神奈川県のお客様(K様)から大塚家具ダウナのリフォーム相談を頂戴しました。
K様はダウナのシングルサイズを20年ほどご使用になっていて、現在ヘタリや生地の汚れ、ファイバーの吹き出しでお悩みになっているということです。そして以前から弊店のブログをご覧になっておられ、いつかリフォームの相談をしたいと思われていたとか。大変ありがたい話です。
そしてなんとK様はかつて大塚家具の社員さんだったとか。(ダウナは社販で購入されたそうです)
実は過去にもまた別の元社員さんからダウナのリフォームをご依頼頂いたことがあるのですが、その方にしても、今回のK様にしても、普通に考えると元社員さんなら古巣の会社にリフォームを依頼するのが一般的なはず。にも関わらず、我々に依頼しようと思って頂いたのですからこんなに光栄なことはありません。
「知識が豊富だから」「丁寧に対応してくれそうだから」というのが当店を選んで頂ける理由と伺っておりますが、その期待に応えられるようにしっかり努めたいと思います。
ダウナの概要と、ダウナのリフォームについては下記リンク先のページで詳しく解説しておりますので、ダウナのリフォームをご検討されているお客様はまずはこちらのページをご覧頂けますと幸いです。
<過去のダウナのリフォーム事例を一部ご紹介>
送って頂いたダウナ
[サイズ]155×210cm (実寸150×200cm前後)
[側生地]綿100%
[キルト]4×5マス立体キルト
[羽毛]ポーランドマザーグースダウン95%
[充填量]1050g
こちらが送って頂いたダウナです。
失礼な物言いで大変恐縮ですが、確かにK様が仰られていたように全体的に傷みがあり、ボリュームも失われています。また羽毛布団の内部で羽毛が移動し、羽毛が入っているマスとほとんど入っていないマスに分かれています。
ただこうした状態(保温性が低下している状態)でも暖かさには不満がないということでした。
恐らくK様の体質はどちらかというと暑がりで、新品当時のダウナの厚み(暖かさ)だとむしろオーバーヒートが起こって不快だった(少なくとも快適ではなかった)のではないかと思われます。オーバーヒートが起こると大量の発汗で羽毛布団が傷みやすくなりますので現在の状況も納得です。
ダウナを購入されたお客様は売り場で「一年中使える」という説明を受けるケースが多いようですが、この説明は正しくありません。
正しくは「無理をすれば一年中使える。ただし快適ではない可能性が非常に高い。また布団の劣化は早くなる。」です。
年間を通じて室温が「10〜15℃」であれば快適に使用できるでしょうが、そんな住まいは東北や北海道にもありません。一般的な住まいは冬場だと10℃前後、春秋で20℃前後、夏場で25℃以上というのが基本です。(高断熱化、高気密化された住まいや、空調管理を徹底している住まいほどこの温度差が小さくなっていきます)
この温度差を1枚の寝具で乗り切るというのは流石に無理がありますから、上質な睡眠を追求するならば室温に応じて寝具を変える必要性があります。
あるいは、最善ではないけれど、使用する1枚を冬特化使用ではなく汎用性のある厚み(薄め)で仕上げるのも有効ですね。
羽毛の状態を確認
こちらがダウナから取り出した羽毛です。これは写真ではなかなか分かりにくいのですが、汗や皮脂による汚れが浸透し、ダウンボールがダマのように固まっています。
左が新品で、右がダウナです。これもまた写真では分かりにくいのですが、パワーが失われ、少し負荷をかけるだけで簡単につぶれてしまう状態でした。新品当時を100点とすると現状は50点前後といった状況です。
リフォームができないわけではありませんが、K様の「15年は快適に使いたい」という希望を満たそうと思うと、全体の半分近くを新しい羽毛と入れ替える必要があり費用が嵩みます。
うーん、どうしたものか。。。
そこでK様には、ポーランドのプレミアムマザーグース95%を使うリフォームプランと、レギュラーグース93%を使うプランをそれぞれ提案させて頂き、その上で新品を購入するとこうなりますともお伝えさせて頂きました。
ちなみにダウナのマザーグース95%は結構フェザーが多い印象がありまして、当店のレギュラーグース93%とフェザー混入量に関してはさほど変わりません。費用を抑えたいという場合や、入れ替え羽毛が大量に必要な場合は、レギュラーグース93%を使用するのも大いにアリです。
リフォームは取り止めて、新品を購入することに
電話で詳しくやり取りをさせて頂いた結果、リフォームは取り止められ、最終的に新品を購入されることになりました。
羽毛診断の結果、新品に買い替えられる場合は通常の価格よりもリーズナブルに提供させて頂いているため、今回のリフォーム費用と買い替え費用がさほど変わらなかったというのが大きな理由です。
そしてこちらが新たにお仕立てさせて頂いた羽毛布団です。
- [サイズ]150×210cm
- [キルト]変形5×5マス立体(マチ6cm)
- [羽毛]ポーランド・プレミアムマザーグース95%
- [充填量]700g
- [生地]プレミアムバティスト
元々のダウナは1050g入りでしたが、今回は700gで仕上げています。これはK様の体質と住まいに配慮した結果です。
羽毛に関してはポーランド・プレミアムマザーグース95%を使用しています。ファイバーが少なく、ダウンボールも高密度で、ヘタリにくい羽毛です。同じポーランドのマザーグースで、同じダウン率、同じダウンパワーでもやはり違いはあります。検査結果って結構いい加減なものなので。
生地はダウナと同じドイツ製の平織生地ですが、さらに細い糸を使用した軽量で高密度な生地です。グレードアップですね。
さらに軽量のエクストラライトバティストも候補に上がったものの、強度が劣るという点を考慮し、今回は総合バランスに優れたプレミアムバティストとなりました。
発送は今月半ばを希望されているのでまだ実物はご覧頂いていないのですが、きっとお気に召して頂けると思います。
K様、この度は本当にありがとうございました!
最近はインスタグラムの投稿が多めです。ブログほど濃い内容ではありませんが、フォローして頂けると喜びます。
また先日羽毛布団リフォームに特化したインスタグラムアカウントを解説しました。そちらもご覧いただけますと幸いです。